中村啓子さん 講演会
NTTの時報など幅広い分野のアナウンスで知られる、立山町出身のナレーター中村啓子さん(61)=写真=の講演会(朝日新聞富山総局など後援)が31日、富山市鹿島町2丁目の富山鹿島町教会であった。
テーマは「幸せのありか」。中村さんは雄山高校を卒業後に上京し、ナレーターになった。30代の時は「1日にスタジオをいくつも駆け巡る生活」で、所属事務所で筆頭の売れっ子になり、「妙なプライドも出てきた」という。
だが39歳でがんを告知され、入院生活に。テレビをつけると、自分がしていた仕事は他人に代わっていた。「仕事をできない私は何だろう。今までは幸せだったのか」
キリスト教と出会い、「この声は神様からのギフトなのに、自分の欲望のために使っていたと気づいた」。以後、朗読のボランティアを始めた。朗読の際、せりふに込められた「思い」に集中できるようになった。「うまく話したいと、以前は殻を作っていた。でも自我を取っ払ったときに本当の幸せが訪れる。悩みがあっても、それは神様の呼びかけです」と語った。
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